02_ケモインフォマティクス

色々な薬らしさの指標

低分子の医薬品(特に経口医薬品)の物理化学的パラメーターを調べてみると,比較的狭い範囲に分布していることが知られています.この範囲を「薬らしい(drug-like)」と呼びます. また数多くの低分子化合物を対象とした研究から,分子量,水素結合ドナーの数,疎水性といった指標が,その...
02_ケモインフォマティクス

RDKitのPAINSフィルターで化合物をスクリーニング

化合物ライブラリー中の大量の化合物から,どれをスクリーニングにかけるかはケモインフォマティクスにおける重要な課題です.本サイトでもこれまで 「RDKitで薬らしさを定量的に評価する」という記事で,開発可能性が高まるような化合物の基準 「ケモインフォマティクスで多様な化合物ライブラ...
02_ケモインフォマティクス

RDKitで薬らしさを定量的に評価する

1060以上と言われる広大なケミカルスペースの中から,なんらかの基準を用いることでより医薬品になりやすそうな化合物を選択し,優先的に評価を行っていくことが創薬研究においては大切です. 例えば「RDKitにおける記述子の扱い方をリピンスキーの法則を通して学ぶ」という記事で扱った「ル...
01_計算化学

計算化学の構造最適化の基本をPsi4で学ぶ

「計算化学にPythonとPsi4で入門」という記事ではpythonで扱える量子化学計算ソフトウェア「Psi4」の紹介と,簡単なエネルギー計算のやり方を扱いました. その際に得られるエネルギーは 用いる計算レベルによってエネルギーの値が異なる 計算する構造によってエネルギーの値が...
01_計算化学

計算化学にPythonとPsi4で入門

近年のコンピューターの高速化に伴い,実験化学者であっても高度な計算を手元の計算機で実行可能な環境が整いつつあります。 計算化学とは「コンピュータを使って化学の問題を解く」学問領域で, 分子力学法(MM) 分子軌道法(MO) 密度汎関数法(DFT) 分子動力学法(MD) モンテカル...
02_ケモインフォマティクス

ケモインフォマティクスで使われるファイル形式と化合物の描画方法

ケモインフォマティクスにおいてコンピュータで化合物を扱うためには,コンピュータが理解しやすい形式で化合物情報を伝える必要があります. 通常我々が使っている構造式は,人間の眼には視覚的にわかりやすい表現方法ですが,コンピュータにとってはわかりにくいため,別の表現方法が必要になります...
01_計算化学

【HOMA】計算化学で化合物の芳香族性を評価する【NICS】

芳香族とは不思議な化合物です.「芳香族」という呼び名は,19世紀ごろ知られていた芳香をもつ化合物の共通構造であったことに由来します.匂い(芳香)は芳香族化合物の特性ではありません. またベンゼン環は代表的な芳香環ですが,ベンゼン環を有することが芳香族である条件ではありません.実際...
02_ケモインフォマティクス

ケモインフォマティクスとLogP計算:CLogPのCは”calculated”ではありません

化合物の脂溶性は溶解性をはじめ,吸収・代謝などの薬物動態にも大きな影響を与える要素です.化合物の脂溶性を表す記述子はこれまでにいくつか知られていますが,最も用いられているものはオクタノール/水分配係数,logPです. LogPのPは分子の有機層(オクタノール層)と水層中の平衡状態...